コーヒーは悪者ではありません。
ただ、お体の中で「もったいないこと」が起きています。
「仕事の合間の一杯が、いちばんの楽しみ」
そんな方は多いと思います。ホッとひと息つく時間、大切ですよね。
ただ、長引く痛みやしびれで通院中の方には、当院では「コーヒーを少しお休みしましょう」とお伝えしています。
カフェインが体に悪いから、という一般的なお話ではありません。せっかく回復に向かっているお体の中で、少しだけ「もったいないこと」が起きているからです。
甘いものの回(痛みの回復を早める「引き算」①)に続いて、今回はコーヒーのお話です。理由は、大きく3つあります。

① 内臓が疲れて、「治すための力」が減ってしまう
内臓の疲労回復に力を使うと、筋肉やスジの修復はあとまわしになります。
カフェインなどの刺激は、体を緊張させる働きのある腎臓や副腎(腎臓の上にある小さな臓器)に負担をかけます。
特に負担が大きいのは、空腹時の一杯と、砂糖入りの缶コーヒーです。夕方以降のカフェインは、自己治癒力を下げる4つの習慣のひとつとしてもお伝えしています。
また、東洋医学では、コーヒーは「考えごと」と関係の深い胃や膵臓(すいぞう)にも負担をかけると考えます。
布団に入ってもあれこれ考えてしまう方、仕事で頭を使い続けている方ほど、内臓は疲れやすくなっています。
内臓が疲れると、本来なら傷んだ筋肉やスジを直すために使うはずの力が、内臓の手当てにまわってしまいます。
② 「水分は摂れている」つもりで、体はかわいている
コーヒーは、飲んだ分より多くの水分を外に出してしまいます。
「毎日コーヒーを何杯も飲んでいるから、水分は足りている」と思っていませんか。
コーヒーには強い利尿作用(おしっこを出す働き)があります。飲んだ分以上に水分が外へ出ていくため、体の細胞の中はだんだんかわいていきます。
すると、筋肉と、筋肉を包んでいる薄い膜(筋膜)の間の「すべり」が悪くなります。
本来はなめらかに動くはずのところが、くっついて動きにくくなるのです。
その状態でふとした動作をした瞬間に起きやすいのが、ぎっくり腰・寝違え・足のつりです。

🔍 当院でよくあるお話
「特に何もしていないのに、朝起きたら腰が」と来られる方に、ふだんの飲み物をうかがうと、コーヒーやお茶の量が多く、お水はほとんど飲んでいない、という方が少なくありません。
③ 整えたはずの背骨が、また引っぱられる
腰を支える筋肉がゆるむと、体は無理な姿勢でかばおうとします。
腎臓や副腎が疲れると、それと関係の深い筋肉が力を出しにくくなります。
代表が「大腰筋(だいようきん)」。背骨と脚をつなぎ、腰を支えている大切な筋肉です。
支える筋肉がゆるみ、筋膜のすべりも悪い。そうなると、体は傷んだ関節をかばおうとして、無理な姿勢をとります。
その結果、背骨や骨盤にねじれが出て、せっかく整えた体の軸が傾いてしまいます。

施術で整えたあとにコーヒーを飲み続けていると、お体はまた同じねじれに引き寄せられていきます。回復を遅らせてしまう理由のひとつです。
もうひとつ:脳が、小さな違和感を大きく感じてしまう
コーヒーは自律神経のうち、交感神経(体を緊張モードにする神経)を働かせ、感覚のセンサーを敏感にします。
修復の途中には、わずかな違和感が出ることがあります。センサーが敏感になっていると、それを脳が「強い痛み」として受け取ってしまうことがあるのです。
体からの「休んで」「お水を飲んで」というサインも、カフェインで感覚がまぎれて、受け取りにくくなります。
「日によって痛みが違う」と感じる方は、こうした背景も関係しているかもしれません。
■ 今日から自分でできること
コーヒーをゼロにする必要はありません。「引き算」と「足し算」を、少しずつ。
◆ 常温のお水か麦茶を、ちびちび飲む
一気に飲むのではなく、コップ1杯を少しずつ。手の届くところに置いておくのがコツです。
お体が潤ってくると、不思議とコーヒーをそれほど欲しくならなくなる方が多いです。
◆ 「空腹時」と「夕方以降」の一杯だけ、別の飲み物に
負担が大きいのは、この2つのタイミングです。
朝いちばんは、まず白湯を一杯。夕方以降は、カフェインの入っていないお茶へ。この2杯を変えるだけでも、お体はずいぶん楽になります。
◆ 「今までより1杯減ったら合格」のルール
がんばりすぎると続きません。
これまで努力してきた方ほど、「全部やめなきゃ」と思いがちです。でも、1杯減ったらそれで十分。減らせなかった日があっても、大丈夫です。
✻ ひとつだけ気をつけていただきたいこと
「コーヒーをやめたのに、まだ痛い」と、その日の感覚だけで判断しないでください。お体の中の変化は、自覚より先に、検査の数字に出てくることが多いです。
当院では、こう見ています
飲み物の習慣も、初回の検査でうかがうことのひとつです。
コーヒーの量は、初回の10項目82ヶ所の検査でうかがうことのひとつです。
内臓の疲れや筋肉の反応を確かめながら、「この方には、何をお休みしていただくと回復が早まるか」を、その時の状態に合わせてお伝えしています。
コーヒーの引き算は、そのうちのひとつ。それで足りる方もいれば、別の引き算が先の方もいます。
「毎日5杯飲んでいたけど、大丈夫だったかな」。そんなお話も、そのまま聞かせてください。

初回は10項目82ヶ所の検査を含めて約75分です
こぼり治療室 院長 小堀 健
(はり師・きゅう師 ケアマネジャー)
※感じ方や経過には個人差があります。持病で水分の量に制限がある方は、主治医の指示を優先してください。
関連ページ
- 痛みの回復を早める「引き算」① 甘いものと自己治癒力のカンケイ このコラムの前編。砂糖の引き算について
- 「引き算」の考え方 足すより先に、お休みすることで回復が進む理由
- 日によって痛みが違うのはなぜ? その日の感覚に一喜一憂しないための見方
- 10項目82ヶ所の検査について 筋肉・歪み・神経伝達と内臓の疲れを調べ、回復を遅らせている理由を明らかにします
お電話 045-306-2312(平日 9:00〜19:00/月・土 9:00〜17:00 休診:水・木・日)
相鉄線 瀬谷駅 北口 徒歩3分



