最も長く続く、五十肩・四十肩の慢性期の針について
1.慢性期
状態: 五十肩で最も長い時期
症状: 動かさなければ痛まないが、ムリに動かす・使い過ぎるなど悪化
鍼: 鍼灸を直接患部にも行う、体を整える遠隔施術と併用
当院で、慢性期に針に使うツボ 針の実際
慢性期は、炎症期と異なり、痛みを感じる患部にある炎症=腫れが収まりつつあるので、炎症期に起きた緊張(固まった肩)をほぐす意味でも患部自体も行う
具体的には、標治法と呼ばれる、患部自体に行う針が中心
肩関節前面の場合 腕の付け根、鎖骨の直下など肩の全面につく、筋肉の起始・停止(始めと終わり)に針をする
肩関節側面・後ろ面もコレに順ずる
背骨の脇
背骨を左右から挟むようV字に 背骨の歪みの改善
肩関節の後ろ側に、強い痛みがなければ、動きをよくするために、肩甲骨の中央に出るこりを囲むように 緊張緩和を目的にツボに鍼灸をする
肩甲骨の内側 膏こう 肩甲骨と背骨をつなぐ筋肉を緩める
遠隔処置(症状と異なる場所)は炎症期に同じ
肘にあるツボ 曲池 首の緊張を緩める 自然治癒力UP
膝にあるツボ 陰陵泉 肩の緊張をゆるめる 血流改善
背骨の脇
背骨を左右から挟むようV字に 背骨の歪みの改善
慢性期の針でどうなるの?
肩関節の血行が改善し筋肉がほぐれ肩の動きが良くなる
自然治癒の力のUP
慢性期の針をすると
動きが良くなるのを、鍼を重ねるごとに 少しずつ実感
ハリの本数:5~10本 上記のツボを中心に
針を刺す深さ:浅く筋肉に刺すぐらいの深さ 5ミリ~1センチ弱
使う針の太さ:髪の毛ぐらいの太さの針
鍼を刺しておく時間
鍼を刺して、患部の反応が軽減したらすぐにハリを抜く
1つのツボあたり 通常10秒~1分
横浜の五十肩が得意な当院で行わない手技 刺激の強い=痛い針
針に電極をつなぎ電気を通電
針を手で持ち激しく動かし・響き(ズ~ン)を出す
慢性期の特徴
炎症期の、じっとしても、腕・肩がうずくナドの激痛は取れたが、動かすと痛い・使いすぎると痛い
慢性期の初期にムリをすると炎症期に戻りやすい。
慢性期の鍼の注意点
自覚症状の強さ
肩・腕の可動域(動く範囲)
腕を持ち上げる筋肉の反応(徒手筋力テスト)
体の東洋医学的所見(自然治癒力)
4点を、良く確かめ 鍼の前後に状態の確認をしながら施術
効果的な、五十肩・四十肩の慢性期|針を行う間隔
一週間に1回以上の集中施術を、症状緩和まで行う。
自覚症状での目安
慢性期になり・腕を動かさなければ強い痛みはないが軽減して、動かしても痛くないが、腕が動かない範囲が少し残る=慢性期になると、2~3週に一度の針で十分効果的になる
可動域テスト(腕の挙がる範囲)
通常、慢性期で 前・横ともに120度以下
肩より上に手が挙がりだすが左右差が残る、後ろに手をまわすのは余り改善していない、これが、針で腕が上がりだす 通常 前→横→後ろ の順番
筋肉反応
腕を挙げる筋肉の反応を調べる際に、慢性期は痛みは軽いが、反応が悪い。針をして反応改善しても次回まで継続しない
これが、針を継続することで効果が継続する時間が長くなる
東洋医学的反応
炎症反応があまり感じられなくなる
炎症期の針 まとめ
炎症が収まり始め 筋肉の緊張が症状の原因となるので、患部に直接針をする
ムリは禁物だが、刺激が弱すぎても変化が出ない。
ひとりひとりの、四十肩・五十肩の状態に応じた、つぼの選び方・鍼の刺激量をきちんと決めることが、はりにて十分な効果が出るかの分かれ目。